電話相談から(中古住宅に隠れた瑕疵(欠点)があった)
こんにちは、司法書士の三田です。
今回も電話相談会にて頂いた相談の内容をご紹介したいと思います。
約7年前に不動産業者(宅地建物取引業者)から中古住宅を購入したという方からのご相談でした。
ここ最近になって雨漏りが酷くなってきたので知り合いに家を診てもらったところ、作り込みがあまかったために雨漏りが生じているのではないかということでした。
民法570条では、「売買の目的物に隠れたる瑕疵があったときは、第566条の規定を準用する。ただし、強制競売の場合はこの限りでない。」とありますので、これに民法566条を当てはめると、1項では、「売買の目的物(に隠れた瑕疵が)ある場合において、買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる。」とあります。
そして民法第566条3項では、「契約の解除または損害賠償の請求は、買主が事実を知った時から1年以内にしなければならない」と規定しています。
以上からすると、相談者さんは民法566条により、雨漏りのために契約の目的を達することができないということであれば、契約の解除をすることができることになります。売買代金を返却してもらい、自らも家を出ていくということになるわけですね。
この雨漏りの程度にもよるかと思いますが、普段生活するにはまだ耐えられる程度の雨漏りであれば、「契約の目的を達することができない」ということにはならないでしょうから、雨漏りを修理するために要した費用等損害賠償を請求することになるわけです。
しかしながら、前提としてこの雨漏りが「隠れた瑕疵」に該当するかどうかがポイントになります。
建築業者が明らかに手抜きをしており、なるべくして雨漏りしているようであれば「瑕疵」でしょうし、経年劣化からくる雨漏りであればそれはそもそも「瑕疵」に該当しないと考えられるのではないでしょうか。いずれにしても、この相談者さんの場合、建築士等建物のプロに判断してもらう必要があるでしょう。
このような相談でも当事務所ではお受けいたしますので、ご遠慮なくお問い合わせくださいませ。