民法・不動産登記法改正(相続登記の義務化等)について①

2021年04月05日

 皆さまこんにちは。司法書士の三田です。

新聞報道等で既にお聞きになられている方も多いと思いますが、今回は現在国会で審議されております「相続登記の義務化」や「相続で取得した土地の放棄」等について触れたいと思います。一度にご説明するには長くなってしまいますので何回かに分けてご案内させていただこうと思います。
 
最初となる今回は「相続登記の義務化」についてです。
先ず初めに、そもそもなぜ相続登記を義務しようということになったのでしょうか?念のためご説明しますと、東日本大震災の復興整備事業(住宅の高台移転、土地の区画整理、災害公営住宅の整備等)の推進にあたって、何代にも亘り相続登記がなされていなかったり、所有者の住所変更登記がなされていなかったりで、所有者不明土地の問題が顕在化してきました。所有者が不明であるため、どこの誰が現在の所有者なのか分からず用地取得ができず事業推進の妨げとなっていたり、景観・治安の悪化や近隣への損害を及ぼしたりしていました。
所有者不明土地は全国で410万haと九州本島の面積を上回り、このままいくと2040年には720万haに達して北海道本島の面積に匹敵すると言われています。
 そこで、相続等による所有者不明土地の発生を予防するための仕組みや、所有者不明土地を円滑かつ適正に利用するための仕組みを整備する観点から、民法及び不動産登記法を改正しようという動きになったわけです。
政府は今国会での関連法案を提出しており、法案が成立すれば2023年度から施行される見通しです。
 
前置きが長くなりましたが、相続登記義務化の中身について触れていきたいと思います。
 
「不動産の登記名義人に相続が発生し、かつ、これにより不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続の登記申請をしなければいけません。」
 
「相続の開始」「不動産の取得の事実を知った日」から3年以内に所有権移転の登記を申請しなければいけないということです。
 
正当な理由が無いのに相続登記の申請を怠ったときは、10万円以下の過料に処されます。ただし、正当な理由の有無等を登記官がどのように判断するかについては、登記官が相続人に対して登記の申請をするようにあらかじめ催告し、それでも登記の申請を行わなかった場合に限り過料を科すこととするなどして相続人の負担が重くならないように運用がされる予定です。なお、この運用は、今後省令や通達によって定められるようです。
 
次回は、何らかの事情で3年以内に相続登記の申請ができないときはどうすればよいか…についてご案内致します。
 
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