遺言書の作成を考えていらっしゃる皆さんへ
2020年12月04日
今回は「自筆証書遺言書保管制度」についてです。
今まで自筆証書遺言は自宅で保管されていることが多く,遺言者による紛失・破損の恐れ,相続人による改ざんの恐れ,それに伴う相続人間の紛争が生じる懸念等がありました。
そういった懸念に対応すべく作られた制度が「自筆証書遺言書保管制度」です。
この制度を利用し,法務局が代わりに遺言書を保管することで以下のようなメリットがあります。
1.全国一律のサービスを提供できる
2.プライバシーが確保できる
3.遺言者の最終意思を実現し,相続手続きの円滑化が図れる
4.家庭裁判所における検認が不要となる
5.相続登記の促進につなげることができる
この制度では,まず遺言者が自ら法務局に出頭し遺言書の保管申請をします。
保管所の管轄は,
1.遺言者の住所地
2.遺言者の本籍地
3.遺言者が所有する不動産所在地
であり,既に遺言書を預けている場合はその保管所においてのみ保管申請をすることができます。
そして遺言者は預けた遺言書を閲覧,返却そして変更することが可能です。
遺言者死亡後,相続人,遺言執行者等は遺言書が預けられているかを確認することができ,保管されている場合は交付請求をして遺言書の内容の証明書を取得したり,遺言書の閲覧をすることができます。
遺言書保管官は遺言書情報証明書を交付したときは,保管している旨を相続人等に通知することになっています。